飲食の嫁、今宵思いふけて三千里

飲食(業界で働く旦那)の嫁が奮闘や悩みや成長を独り言のように呟く。#飲食妻

他者理解、肌で感じることの重要性

朝ご飯を食べていた時だった。

夫がテレビ画面を見ながら、

「大規模のワインの試飲会があるから良かったら一緒に来てみる?」

珍しく仕事絡みのイベントに私を誘った。

 

私はなんだかちょっと嬉しくて

「え、いいいの?行きたい」反射的に答えた。

 

というのも夫は夫婦間で仕事のことを共有しすぎると

距離が近くなってしまって必ず公私混同して揉める。

という固定観念を持っているのだが、

かといって、一貫して公私を分けているかというとそうでもなく。

 

実際はその裁量は夫次第で、

都合の良い時には手伝ってもらいつつ、

なにか良くわからないところで、

急に線をピシャッと引かれたりする。

 

別に口出しをしたり、余計な一言をいったり

頼まれてもないことをしたわけでもない。

どこにあるかわからない境界線に振り回されている感覚。

 

ワインの試飲会も今までなら誘うことはなかった。

もちろん規模が大きいので関係者ということで

連れて行きやすかったんだと思う。

 

けれど別に人手がいるわけでもない予定に

自ら私を誘ってくることが意外だったし、

誘ってくれたことがというか、

抵抗感がないんだということがうれしかったのかもしれない。

 

今思えば、口下手な夫が私に、店の営業以外の仕事が

どのようなものなのか、共有するために誘ってくれたんだと思う。

 

そんなこんなでホテルで開催された試飲会に同行。

 

結論からいうと、頭も体力も肝臓も使う、THEお仕事!!!

 

正直これまで試飲会と聞いて、お酒も飲めるし

もう少しゆるやかおだやかな感じで楽しく

しゃべりながら美味しい~とかいって

ワインを楽しんでいるイメージだった。ごめんなさい。

 

確かにワインを味わったり、

インポーターさんと楽しくおしゃべりをしたりもするのだが、

 

その背景には、

・ワインの知識

・各インポーターの得意分野や特徴

・ワインの特徴や印象、味

・自分の店や料理との相性

・グラスでだすのかボトル扱いなのかと価格帯

・今の店のワインラインナップを加味

・自分にとっても美味しいか(ちゃんと売りたいと思えるものか)

・インポーターさんとの関係性づくりや人脈作り

・関連情報収集

・ワイン業界の動向、トレンド、情勢など

・生産者の情報、何を重視して作っているのか

・それが自分の重要視しているものと共鳴できるか

 

これをワインを飲みながら一気にやっているイメージ。

しかも夫は若い頃、テイスティングのワインは捨てるな

生産者のことを考えたらそんなことはしてはいけない。

という、九州男児にまけないほど男前なスピリットをたたき込まれているので、

全部ワインは喉の奥までしっかり通して味を確かめる。

胃や肝臓に届ける。

 

実はコレも意味があって、

亜硫酸や農薬の使い方や畑が夫的に良くない状態だと

胃に入れた時に体が受付けない感じや頭が痛くなるのだそうで。

それを実際に消費者側の立場で味わっていた。

 

それを目の前で見て肌で感じて、

百聞は一見にしかず。

 

相手に敬意がもてない時は相手のことを理解できていないサインなのかも。

相手のことを理解したければ、許す限り実際に触れてみる、

目で見てみる、肌で感じてみる、一緒に体験してみることで

想像力や理解度が何倍も上がるな~と実感したのでした。